死骸

2010年8月4日
昨夜、死にそうになっている蝉が家のドア前に鎮座していた。

家の中から箒を持ち出し、蝉を掃く。
目が見えないのか物凄い勢いでジタバタ飛び回る。
そんな彼を箒でテニスばりに打ちまくる私。
『やっぱり球技は得意だな』と的外れな事を思う。



最近、蝉がどこかしこで死んでいる。

大体はグロテスクな腹を見せて横たわっているので
あまり気持ちの良いものではない。



通勤中に
車に引かれた彼の姿を見て
最近、巷じゃ問題になっている高齢者所在不明に思いを馳せる。

死後のことを考えるのは過去の自分や周囲の人間の役目であり
そこに自分の意志はない。



今年の夏、この世界にどれだけの蝉が死んでいくのだろうか。

そして、もしも霊感のある人がいるのならば
『この死んだ蝉も全部見えてんすか』と問いたい。

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